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「 当たり 」

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■ 平出隆の『葉書でドナルド・エヴァンズに』は随筆のような小説のような評伝のような、でもやっぱり平出隆の詩であって、とても好きな本でした。それが「平出隆、いいなあ」という出会い。最新作『雷滴 その拾遺』は《このようなささやかなかたちでも、「本」として流通させようというものです。どうやら私にとって「本」のかたちは、web 空間へと変貌していくものではなくて、web 社会の深化とともに、より「本」の形の中核へと、変貌していくもののようです。これも廃滅の一形態、消失の一過程といわれるかもしれませんが。》という宣言のもと、自らが版元となって自作に限らない書籍を流通させるべく起ち上げた via wwalnuts からの一冊目。封筒に収められたプライベートな手紙のような造本(装丁も平出隆)がとにかく素晴らしいです。そのことにくらくらしてしまって、もうちょっとで落涙するほど感激して、ようやく「詩篇」を噛み締めて読みはじめたところです。

■ 手に取ればわかると思いますが、こうした稀少的価値の高い書籍をアマゾンでも入手できるということが、こういう言い方は語弊があるかもしれないけど、戦略としてすごいと思いました。いや、webの巨大流通に乗せることを前提にしてはじめて平出氏の試みは重要な問いになるのかもしれない。表現・それを定着させる形態・表現物を受け手に届ける経路。そのすべての段階を「表現」として担うこと。図らずもまったく同じタイミングで手にすることとなった、土井玄臣さんの『んんん』でもやはりそのことを考えさせられました。タフだなあ、と。すでにその時点だけで表現者の心意気に感銘を受けてしまいます。この話のつづき、また書きます。たぶん。

■ 指先で鼻毛を抜いたら白髪だった。福引きの当たりって感じがしました。



なー、ゴマ。「 当たり 」_d0075945_3411194.jpg
by gomaist | 2011-01-16 03:52 |


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