「 ムギムギして落ち着かない 」
■ フェスティバルトーキョーの公募プログラムとして上演されているロロ『常夏』がおもしろい。純粋に楽しめる一方で、平均年齢23.5歳の劇団による好きだのなんだの言って騒いでるだけにも見えるこの作品が、いまこの時期に上演されるものとして、結果的に演劇論となり、観る者の態度が問われることにどうやらなっているのも含めておもしろい。「若い」とか「問題意識が低い」とか「サブカルが」とか斬り捨てる人はそうすればよかろう。散りばめられたマンガやアニメの元ネタを知ってる知らないで優越感を持ったり無知に苛まれたりする人もそうだし、何事も知や教養としてお勉強したい人には必要とされない、ヒットしない作品なのだと思う。私は完成直前のお試し上演と本上演と2度観たが、もう1度見たいくらいに好きだ。明日5日まで上演されているので、終了後にまたあらためて感想を書いておきたい。
■ 横浜トリエンナーレに行ってきた。おもしろかったのはクリスチャン・マークレー「The Clock」、アピチャッポン・ウィーラセタクンの一連の作品、カールステン・ニコライ、ミルチャ・カントル。2会場の膨大な作品をどれもそれなりに楽しく見たには見たが帰ってからも余韻を引いているものとなるとこの4つ。特にクリスチャン・マークレー「The Clock」には驚き呆れた。いわゆる神作。24時間の映像作品なので実際に見たのは30分ちょっとではあったけれど。感想はここに書きました。あ、4つとも映像作品だった。
■ 「熱が39度も出てさー」とか言いたくなっちゃう、病気自慢したりされたりする心理はミュンヒハウゼン症候群の軽度なものとして理解できる。病状に深刻さがないほどついつい言いたくなってしまうものだ。最近足腰が痛くて…めっきり小さい文字が見えなくなったよ…なんていうのも同類相哀れむというか、互いの肉体的な老いを確認してほっとしたいという気持ちから私も言いがちだ。でもこんな場合はどうだろう。先日病院でこう言われたのだった。「それ、おそらくむずむず脚症候群ですね」。むずむず脚症候群。症状についてはウィキなどに詳しいがとにかく脚や、私の場合は全身までがむずむずよりもう少し激しくムギムギして落ち着かないのだ。でもそんな症状のことはこの際どうでもいい。英語名では“Restless legs syndrome”というらしいが「むずむず脚症候群」とは病名としてちょっと間抜けすぎやしないか。ウィキペディアには「下肢静止不能症候群」という別名もあるがここはひとつそのことは知らなかった体でいきたいと思う。私の病名はあくまでもむずむず脚症候群だ。だって言いたいじゃないですか、むずむず脚症候群。自己愛とも自慢ともまたちょっとちがう、この人に言いたくなる感じ。何かの折に「そうそう。おれね、むずむず脚症候群なんだよね」って小ネタとしてはすごくちょうどいい。深刻な症状で苦しんでおられる方もいらっしゃることを思えば笑ってはいられないのだけれど、だめだ、やっぱり書いちゃったよ。
なー、ゴマ。
by gomaist
| 2011-11-04 16:04
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