「 祈祷師たちの口寄せで古い建物内に浮遊する歴史に澱んだ念 」

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F/T「なにもない空間からの朗読会」地点『CHITENの近現代語』@豊島公会堂を観た。大日本帝国憲法、玉音放送(口語訳)、日本国憲法、戯曲や小説をテキストに、5人の俳優が「どのように」という発語で意味を剥奪し「何を」を解体しながら再構築する身体パフォーマンス。会場の豊島公民館(築60年)の2/3ほどの客席をメインステージとして、そこにたちずさむ俳優たちの身体によってテキストは切り刻まれ編集され声/音に変換されていく。ただの「朗読」ではなかろうと観る前に想像はしていたけれど、ベースになっているらしい地点の過去作『his master's voice』も知らなかったのでその手法にまず驚いた。刻まれたテキストは音階といってもいい抑揚、節を付けられることによって本来の意味と歴史性を変容させられる。まるで生身の身体/声によるサンプリングミュージックだった。おもしろいのはそうして解体しかけた意味性が直に空気を震動させる声で再構築されることによって、テキストの底に潜む念のようなものが炙り出されていく様だった。それは書かれたとき、口にされたときに現れたまま、時間の中に沈んでしまったものたちだ。祈祷師たちの口寄せで古い建物内に浮遊する歴史に澱んだ念。その念のような歌のような合間に差し込まれる戯曲や小説は時間の霧に現れて消える塚になる。最後に残ったのは俳優たちの身体が示す現在と私たちが確かに知覚したはずの、しかし目に見えてはいなかった何かだった。舞台上に移動した3人の俳優がシルエットでアコーディオンを押し引きして鳴らした「君が代」の歪さ、かなしみとおかしみとおろかしさが入り交じったあの演奏が答えであり問いだと思った。地点、2月のこれ行こう。

■ 今作の地点の俳優たち(安部聡子、石田大、窪田史恵、河野早紀、小林洋平)の技術にも感服いたしました。今度はあの身体を舞台の上でじっくり見たい。スイカのタネの「ぷっ」、あれよかったな。


*11/7付記:『CHITENの近現代語』の映像がコチラに上がっています。



なー、ゴマ。d0075945_15265965.jpg
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by gomaist | 2011-11-05 15:34 | 演劇


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