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「社会の窓から振り込め詐欺の巻」

一昨日、チャックを下ろしたまま自転車に乗り、
逮捕されてしまった役人のことを書いて思ったのだけれど、
最近「社会の窓」っていう言葉をあまり聞かないよね。

私が子どもの時分には日常的にチャックを「社会の窓」と言っていた。
一日に最低でも一度は口にしていたくらいだと思う。
なぜならば、子どもの脳みその半分はシモ系に使われていて、
たいてい「社会の窓」を開きっぱなしの者がそこかしこにいたからだ。

調べてみると、1948年〜1954年、1959年〜1960年に
NHKラジオで放送された番組
『インフォメーションアワー・社会の窓』が語源となっていて、
その番組内容が「社会の矛盾を暴きだす」というものであり、
転じて「中に大事なものが隠されている」という発想から
生まれた言葉であるらしい。
私は「ここ(チャック)から外側が社会(大人の世界)」
というような意味合いかしら、となんとなく思っていたので、
「社会の矛盾を暴きだす」には笑ってしまった。

以上はウィキペディアからの情報なのだけれど、
その項には最後にこうつけ加えられている。

「女性の場合は、『理科の窓』という。」

男の「社会」に対して、女は「理科」。
聞いたことねえなあ、「理科の窓」。もちろん使ったこともないし。
「生命の神秘な感じを勉強させてください」という、
こうちょっと謙虚な物腰も匂わせつつ、その窓の中を科学するイメージだろうか。
まじめなことを言えば、微妙に男目線なのがよろしくないね。
もしその言葉が本当に使われていたとしたら、現在まで残らなかったのは、
しいては「機械」に連なるような女性蔑視的なニュアンスのせいもあるのだろう。

【今日の一枚】
『Fascinating Tininess』/Leyode
「社会の窓から振り込め詐欺の巻」_d0075945_0181243.jpgカットアップコラージュを駆使した
女性ボーカルのスウィートなブレイクビーツ。
全編で使われる、Beatles『Blue Jay Way』の
逆回転テープを極端に洗練させたような音が美しい。
(たとえが古くてごめんなさい。)
ミックスの繊細な流麗さといい、
そのエレガンスに目眩しをくらうが、
ビートは意外とゴツゴツしてぶっ太い、
というところがおもしろい。
Prefuse 73ことGuillermo Scott Herrenのレーベルからで、
Scott Herren本人もゲストとしてクレジットされている。

Scott Herrenのレーベル、Eastern Developments Musicの盤は何枚か聴いたし、
他でも彼の推薦する盤はついつい買ってしまうほうなのだけれど、
ここのところ悪くはないものの、「アタリ!」というのがなくてですね、
どうなのだろうか…と感じていたところに、なかなかの好盤と出会いました。

ニューヨーク在住の日本人(日系人?)がメンバーなので、
ところどころに日本語や昭和歌謡のサンプリングが現れ、
メロディにも時折「和」が滲む。
『大人は判ってくれない』のJean Pierre Leaudに捧げられているらしいが、
そこらへんのところはあまりイメージがつながらず、
「ああ、そうですか」という感じか。

ここでたまに書かせてもらっている、私の友人であるのぶちゃんグループ。
その仲間の一人M(女性)が振り込め詐欺に引っ掛かり損なった。

税務署員を名乗る男から
「医療費の還付金を払い戻しします」という電話がMの親宛に入り、
「払い戻しの期限が今日で、本来なら2月に送ったハガキを持って
窓口に来ていただくんですが、ハガキをなくされたとのことで、
書類のやりとりをする時間がありませんから、
ATMからお振り込みする方法で返金します」
と、指定のATMに誘導されたという。もちろんそんなハガキ自体、存在しない。

「医療費の還付金」で「?」となれば、ATMに行く前に気づきそうなものだし、
ATMで払い戻しってどういうことよ? と妙に感じてもしかるべきなのだが、
そこはスルーして、自分の口座のカードを手に、
ノコノコと出掛けていった友人Mをどうか、どうか責めないで欲しい。
彼女はどうしても還付金(提示額は2万6千円位だったらしい)が欲しかったのだ。

ATMに着いたMは携帯で指定されたフリーダイヤルに掛け、
相手の指示通りにATMを操作させられていくことになる。
その指示もいきなり、
「払い戻しボタンを押してください」とか、
「では本人確認しますので、カードを入れてください」とか、
「(口座残高を)読み上げてください」とか、
挙げ句、振り込み画面に打ち込むように指示された“IDナンバー”は
いましがた彼女が読み上げた残高とほぼ同じ数字だったというのだから、
そんなことに引っ掛かる人がいるんかいな、と思うのだけれど、
実際に友人Mはその相手の口座の振り込み画面まで
指示通りに進んでしまったというのだから、まったく恐ろしいことだと思う。

ATMをめったに利用しない、あるいは初めて触れるお年寄りであったら、
詐欺被害に会ってしまうであろうことは容易に想像できる。
「医療費の還付金」というあたりにも、ターゲットの絞り込みが見えるし。

Mの名誉のために申し上げておけば、彼女は決して阿呆ではない。
ま、ちょっとだけ天然系のいい匂いはするものの、
手に職を持ち、女手ひとつで一人息子を高校生まで育て上げている立派な人だ。
それだけいま、振り込め詐欺は巧妙に進化しているということか。

Mは「催眠術にかかったみたいだった」と言う。
多分、なんかそういう感じになってしまうのだろうと思う。
そうでなければ、聡明な(かつ天然系)MがATMの振り込み金額欄に
“IDナンバー”を打ち込んでしまいそうなることの説明がつかない。
しかし実際に被害を受けずに、こうして私たちにネタを提供してくれたのだから、
まったくをもって良かった良かった。

これは友人Mの許可をもらって、ここに書かせてもらった。
匿名とはいえ、自らの失態を晒す恥より、
少しでも被害防止の礎となれば、ということだ。
まあ、このブログを見てくれる奇特な方はごく少数ではあるけれども。

実はかつて私の実家にも振り込め詐欺の電話があり、
母親が応対したことがあるのだけれど、
今日は思いのほか長くなりすぎたので、その話はまたいずれ。

詐欺の成功率と被害総額(年間約250億円!)の大きさを考えれば、
相当の未遂、アプローチがなされているはずで、
それがウチや友人にきたとしても不思議はないのだけれど、
いや、しかし恐ろしくも気味の悪いことだと思う。

なー、ゴマ。「社会の窓から振り込め詐欺の巻」_d0075945_0184292.jpg
by gomaist | 2007-05-24 01:08 | 日日


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